役作りやキャラクター造形といった言葉を毛嫌いする日本の演劇関係者は多くいます。それはおそらく「役作り」という言葉の持つなんだか背筋がむず痒くなるような安直さ、胡散臭さも要因のひとつだろうと思います。この国の現代演劇において役作りはあまり体系立てて語られてきませんでした。あるいは語らないことが(アナーキーで自由な)現代演劇の作法であったのかもしれません。ゆえにそれらは浸透せず、誤解され言葉の響きだけが一人歩きしたまま今日まできてしまった。かといって「役作り」を毛嫌う演出家や俳優の持つ演技論は、秘伝の書のように外部に開示されることはありません。せいぜいそれは稽古終わりの飲み会の場で仲間内に情熱とともに語られて終わります。僕はこうした現状に少なからずの違和感を覚え、かつ問題も感じています。演じるとはなにか。そういった根源的なことを身体で共有する場が必要です。
山本卓卓
【講 師】山本卓卓(範宙遊泳)
【日 時】
プレ企画『その夜と友達』上映会
2018年6月23日(土) 18:30〜
※ 上映時間約110分・その後トークショーを実施
山本卓卓ワークショップ「創造的キャラクター」
2018年6月24日(日) 13:00〜19:00
【会 場】せんだい演劇工房10-BOX box-2
【対 象】舞台芸術分野に関心のある方(年齢・経験不問)
【対 象】今後も俳優として生きていく意思のある方
【参加費】23(土)のみ 上映会・トークショー:800円
24(日)のみ ワークショップ受講料:3,800円
2日間通し 4,500円
【定 員】上映会:20名/ワークショップ:14名
※予定人数に達し次第締め切りといたします
山本卓卓/やまもとすぐる 範宙遊泳主宰。劇作家・演出家 1987年、山梨県生まれ。幼少期から吸収した映画・文学・音楽・美術などを芸術的素養に、加速度的に倫理観が変貌する、現代情報社会をビビッドに反映した劇世界を構築する。スクリーン上の活字と人間が会話する、SNS世代ならではの演出的手法も注目を集める。近年は、マレーシア、タイ、インド、中国、アメリカ、シンガポールで公演や国際共同制作なども行ない、活動の場を海外にも広げている。『幼女X』でBangkok Theatre Festival 2014 最優秀脚本賞と最優秀作品賞を受賞。『うまれてないからまだしねない』で第59回、『その夜と友達』で第62回岸田國士戯曲賞最終候補作ノミネート。2015年度より公益財団法人セゾン文化財団ジュニアフェロー。2016年度より急な坂スタジオサポートアーティスト。2017年度よりアーツコミッション横浜クリエイティブ・チルドレン・フェローシップ対象者。一人の人間に焦点を当て作品化するソロプロジェクト「ドキュントメント」も主宰している。
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